【柏崎のお店紹介 vol.18】元祖じんぎすかん料理 澤田屋

　荻ノ島のかやぶき集落や山間の棚田が今も残る柏崎市高柳町は、上州と信州を結ぶ街道の宿場町として賑わった地。明治43年に創業した「澤田屋」は、かつて割烹旅館として営業し、宴会、料理屋として親しまれてきました。





大正時代に、高柳は綿羊の育成指定村となり盛んに綿羊飼育が行われていたそうで、昭和27年に澤田屋の先々代の女将が「ジンギスカン料理」を始めたそうです。

　それまでは、まだ高柳地域に羊肉を食べる習慣はなかったそうで、羊毛を刈り取るだけではなく地場産の羊を使った料理を高柳の名物にしようという機運が高まり、いつしかジンギスカン料理が名物になっていったそうです。
澤田屋の先々代女将は、羊肉のくせを和らげるためにタレの味付けを何度も工夫して、ようやく澤田屋独自のタレを作りあげました。今もそのタレ作りは代々女性に受け継がれているのだそうです。





現在、澤田屋のじんぎすかんは、澤田屋秘伝のタレと相性の良い、生後1年未満の上質で柔らかなラム肉（ニュージーランド産）を使い、機械などは使わずに手切りし、注文と同時にタレを絡めてお客さんに提供しています。その味わいは本場の北海道にも負けないおいしさ。今も高柳地域では、お盆など人が集まる時にはジンギスカン料理が振る舞われるそうです。

　澤田屋のじんぎすかんメニューには、じんぎすかん1人前にご飯、味噌汁、漬物、果物のAセット（1350円）。ざるそばと漬け物が付いたBセット（1500円）。ラーメンと半ライスが付いたCセット（1650円）のお得なセットがあるんですよ。





　澤田屋自慢のじんぎすかんとシャキシャキのもやしとの相性は抜群。こだわりのご飯はもちろん高柳産コシヒカリ。山間の自然豊かな田んぼで育てられたコシヒカリのおいしさは格別です。Bセットは、越後特産のふのりそばにかつお節で出汁を取った自家製つゆが自慢。さらに、Cセットのラーメンは自家製の鶏ガラスープと味付けメンマ、手作りのチャーシューも自家製とこだわっています。

写真：Hirohide Majima

写真：Hirohide Majima

そして、お腹に余裕があったらぜひ食べていただきたいのが「かつ丼」。揚げたてサクサクのとんかつに自家製のつゆ、とろとろの卵が高柳産コシヒカリの熱々ご飯と合わさり、こちらもおすすめの一品です。

　
　ここで、小ネタを１つ。
 

　澤田屋のじんぎすかん鍋は県内の製鉄所で作ってもらった特製の鍋。ジンギスカンで有名な北海道のジンギスカン鍋とも少し違っています。帽子をひっくり返したような分厚い鉄板は溝がないため熱伝導が良く、余分な脂だけを落とす作りになっているんです。澤田屋特注のじんぎすかん鍋は通信販売もしているそうですよ。